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ペーパーアートの裏側 | ストラーダのあるクルマ生活

ペーパーアート作品制作の様子
Strada Lifestyleブログ編集部(略してストブ編集部)が伺う、ペーパーアート作家太田隆司さんインタビュー「ペーパーアートの裏側」も今回が最終回。
第一回目のペーパーアートの醍醐味と、第二回目の、カッターで表現するということに続き、第三回目の今回は、ストラーダーオリジナルのペーパーアート作品について、そこに込めた想いなどを伺います。(太田さんの作品は、ストラーダユーザーのコミュニティサイト「CLUB Strada(クラブ ストラーダ)」でペーパアートのオリジナル壁紙などがお楽しみいただけます!)

ストラーダペーパーアート

「道」をテーマにしたストラーダペーパーアート。こちらは、2008年冬に発表された作品。

ストラーダペーパーアートに込めた想い

昨年よりストラーダオリジナルのペーパーアートを続けて制作されている太田さん。「道」というテーマで作られた一連の作品には、どんな想いが込められているのでしょうか。
「一連のストラーダ作品の中で、私なりの最初の課題は、ストラーダのロゴをどう作品に忍ばせるかということでした。これを表現できずして道はないと。そして次が道の見せ方ですね。これもいろいろ工夫しました。道を見せるために作品全体の傾斜を強めにしたり、曲がった道や坂道を登場させるなど、いろんな道にチャレンジしましたね。道自体は今まで自分の作品の中にも何度か登場していますが、ここまで道にこだわったのは、この一連の作品が初めてですね。」

なるほど。太田さんの言うとおり、ひとつとして同じ道がないのも作品を見比べてみるとよくわかります。



太田隆司さん

最新作の全景。ルート66のガソリンスタンドをイメージした作品。

「最新作はわれながら良いものが出来ましたね」

今年の春に完成したストラーダオリジナルペーパーアート最新作。この作品は、実際の道「ルート66」をモチーフに作られました。
ルート66は1926年に創設されたアメリカ最初の国道の1つ。20世紀中頃には、アメリカ発展の象徴として、小説や映画、音楽などにもたびたび登場し、長きにわたりアメリカの人々に愛されてきました。1985年に廃線となった後も、古き良き時代を懐かしむ多くの人々に守られています。

太田さんは最新作について、このように語ってくれました。
「最新作はわれながら良いものが出来ましたね。今まではとにかく道そのものを見せようとしていたのですが、今回は考えを変えて、道を見せずに道を表現することにチャレンジしました。結果的には、ルート66の存在感や1950年代のアメリカの雰囲気をうまく表現できたと思います。この後も同じようにいくかはわかりませんが、新たなステージに来たという感じですね。」

太田隆司さん

車だけでなく、映画も大好きと語る太田さん。好きな映画のジャンルは「潜水艦モノ」とのこと。潜水艦の閉鎖された空間が、車の運転席に通じるとのことです。

「様々な人に受け入れられる作品を作って行きたい」

進化し続ける太田さんのペーパーアート。これから先はどんな作品づくりをしていくのでしょう。具体的に作品にしたい風景や人物など聞いてみました。
「時代劇をやってみたいですね。忠臣蔵とか。刀を振り切ったシーンみたいなもので。でも、そこに車がどう絡むか難しいですけどね(笑)」
雪が降り積もる12月14日、吉良邸に集う赤穂浪士、そこに通りかかる一台の車!?なんとも面白そうなシチュエーションです。太田さんのことなので、あっと驚く作品が出来上がるに違いありません。他にも「ローマの休日」などの有名な映画もペーパーアートにしてみたいと語ってくれました。太田さんのチャレンジはまだまだこれからも続くようです。

最後に太田さんは、今後の活動についてこう語ってくれました。
「やりたいことはいろいろあるのですが、なんといっても、これからますます様々な人に受け入れられる作品を作っていきたいのが一番ですね。自分自身、基本は柔軟で、いろんなものを吸い込めるタイプだと思っているんです。それゆえに柔軟に作品の雰囲気を変えていけるんじゃないかなと。最終的には、いろんな人々が楽しめる作品を作り続けていきたいですね。」




ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー 第一回「ペーパーアートの醍醐味」はこちら
ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー 第二回「カッターで表現すること」はこちら


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太田 隆司
太田 隆司(おおた たかし)

ずば抜けた観察力を一本のカッターと紙だけで表現してゆくペーパーアート作家、太田隆司氏。その指先から創りだされる作品は、すべて生きているかのように存在感を持ち、融合しあっています。会員サイト「クラブ・ストラーダ」では太田さんのオリジナル作品がご覧いただけます。見つめるほどに語りかけてくる、その不思議な世界をお楽しみください

ペーパーアートの裏側 | ストラーダのあるクルマ生活

ペーパーアート作品
ペーパーアート作品をじっくり見てみると、その緻密な細部に驚かされます。
車のホイール、服のしわ、犬の毛並み、どれも丁寧に描かれていますが、なんとこれは、
ほとんどをカッター1本で作り上げているのです。

なぜそこまで、カッターだけの表現にこだわるのでしょうか。ペーパーアート作家の太田隆司さんはこう答えてくれました。
「ハサミや絵の具を使ったらもっと楽できる部分もあるかもしれません。でも、それでは紙そのものの持ち味を最大限に生かせない。シンプルにカッター1本で表現するのが一番いいと信じています。」

太田さんが使っているカッター

ペーパーアート作家 太田隆司さんが使っているこだわりのカッター。ハサミや絵の具は基本的に使いません。


Strada Lifestyleブログ編集部(略してストブ編集部)がお話を伺った、ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー。前回は「ペーパーアートの醍醐味」としてペーパーアートの魅力について伺いました。

第二回目の今回は、紙とカッターで表現する製作過程について、一歩踏み込んだお話を伺います。(太田さんの作品は、ストラーダユーザーのコミュニティサイト「CLUB Strada(クラブ ストラーダ)」にて、ペーパーアートのオリジナル壁紙などがお楽しみいただけます!)






服のしわ一本にも、自然に見えるような工夫がある

服のしわ1本にも、自然に見えるような工夫があります。

「車には一番やさしさが表現できる紙を使います」

カッターだけの表現にこだわる太田さん。しかし、その製作はかなりの苦労を伴うのではないでしょうか。
「基本はカッターだけですね。ハサミや絵の具なんかは使いません。他に欠かせない道具としては、カットした紙を丸めるのに使う千枚通し。これで紙をまるめて微妙な湾曲を出します。あと、紙同士を張り合わせるのに、爪楊枝と接着剤も使いますね。それでもなるべくシンプルに、これだけの道具でやっています。ただ、そのぶん手法は工夫していますよ。例えば、色のグラデーションを出したいときには、微妙に色が異なる紙と紙を下から上へ重ねていきます。こうすると、違和感なく自然に色の変化を出せるんです。逆に、はっきり色の違いを出したいところだったら、上から下へ紙を重ねるようにします。他にも、服のしわを作るときには、カッターを入れるときも下から上へ。こうすると紙の切れ目が目立たずに、自然になるんですね。」

紙の重ね方やカッターの入れ方にも工夫があるとは驚きです。
さらに太田さんは、素材となる紙の選びかたについても教えてくれました。

「唯一、車のハイライトだけは絵の具を使って着色するのですが、それ以外は紙そのものの色と質感だけで表現します。だから、紙選びは大切です。例えばヨーロッパのレンガの壁だったら、すこしざらざらした茶色の紙を何種類か使います。また、車だったら、最も紙らしい紙を使います。マーメイドという種類の紙ですが、これは質感や凹凸が良くて、一番やさしさが表現できる紙ですね。」
これはまさに、車好きな太田さんならではのこだわり。素材の紙にも注目して鑑賞してみると、ペーパーアートの楽しみ方がますます広がることでしょう。

ラフスケッチ

数パーセント間隔で大小様々にコピーしたパーツを元に構図を決めていきます。

緻密な工程が、良い作品を生み出す

では、具体的に1つの作品を完成させるまでには、どのような手順があるのでしょう。
「最初は頭の中にあるイメージにそって、資料を集め、取材をします。そしてラフスケッチを書きます。ラフスケッチがしっかりしていないと、後の工程で遅れをとるので、ほぼ完成系に近いものを書きます。」

ラフスケッチを見せていただいた。人物に数字が書いてある。これは何でしょうか。
「人物・車・建物を単品で描いたものを数パーセント間隔で大小様々にコピーして、それを貼りこんで、切り絵のようにして作るんです。書いてあるのは、その倍率のメモですね。こうすることで、違和感のない構図を探していきます。これはかなり地道な作業ですが、これで一枚の絵が正しいパースで完成するのです。」

現在、ひとつの作品を作るのにかかる期間は約1ヶ月ほど。
アトリエでは、太田さんと、パートナーの新井さんとの共同作業で作品を完成させていきます。
「もう8年もコンビを組んでいるライトハンド、右腕という意味を込めたパートナーですね。」

緻密な計算でつくりあげた背景の図面

緻密な計算でつくりあげた背景の図面は、まるで設計図のようでした。

お二人のコンビネーションは絶妙。太田さんが資料や写真を集め作品全体のイメージを作る中、新井さんが緻密な計算で背景を図面化します。
「これはもう設計図に近いですね。細かいところに計算式が走り書きしてあるでしょ。違和感のない構図にするために、いちいち計算してパースを決めているんです。ただ、そこからはフリーハンドの世界。紙を切るのはカッターだけですから。紙のささくれも労力の表れですね。」

模型ではなくアートとして

次はいよいよ紙を切り出す作業。そこでもペーパーアートならではの苦労があるのだそうです。
「製作の最終段階では、設計図通りにいかなくなることもありますよ。紙の厚さの違いなどで、誤差が出てきたりします。でも、それを無くしてしまったら面白くない。たぶん、その違和感とうまく付き合っていけるのは、これが模型ではなくアートだから。模型なら確実に見る人が違和感を感じてしまう。でもアートなら、むしろその違和感をどこかで吸収して、うまく付き合っていくべきでしょう。」

太田さんにとって、カッター1本で表現するということは、アート作品として成立させるための、魂を込める儀式のようなものでもあるようです。カッター1本だからこその苦労もある一方で、それが作品に独特の魅力を与えてくれるのかもしれません。



次回は、ストラーダオリジナルペーパーアート作品について、そこに込めた太田さんの想いを伺います。


ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー 第一回「ペーパーアートの醍醐味」はこちら
ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー 第三回「ストラーダ作品に対するこだわり」はこちら

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太田 隆司
太田 隆司(おおた たかし)

ずば抜けた観察力を一本のカッターと紙だけで表現してゆくペーパーアート作家、太田隆司氏。その指先から創りだされる作品は、すべて生きているかのように存在感を持ち、融合しあっています。会員サイト「クラブ・ストラーダ」では太田さんのオリジナル作品がご覧いただけます。見つめるほどに語りかけてくる、その不思議な世界をお楽しみください。

ペーパーアートの裏側 | ストラーダのあるクルマ生活

ペーパーアート作品
美しい街角。そこに停められた車。生き生きとした人々…。
一見すると一枚の絵のようですが、実はこれは紙とカッターだけで作られた立体のペーパーアート。 平面では感じられないリアルな光と影や、紙独特の微妙な凹凸の質感が特徴的です。きっと初めて見る方は、なんともいえない不思議な魅力を感じることでしょう。

この作品を作ったのは、ペーパーアート作家の太田隆司さん。(ストラーダユーザーのコミュニティサイト「CLUB Strada(クラブ ストラーダ)」で太田さんが作ったペーパアート作品のオリジナル壁紙などがお楽しみいただけます!)

太田さんは、絵の具を使わず、紙そのものの色と質感だけであらゆるものを表現する、まさに紙の魔術師。今回、Strada Lifestyleブログ編集部(略してストブ編集部)は、そんな魅力溢れるペーパーアート作品について、制作秘話や苦労話などを伺いました。

太田隆司さん

ペーパーアート作家の太田隆司さん。アトリエには、お気に入りのミニチュアカーやフィギュアが並んでいました。

「絵が立体になった時の驚きを大切にしたい」

太田さんの作品の特長といえば、やはり紙だけで作ったとは思えないほどの緻密な細部と、その立体感。作品の実際の奥行きは15〜30cmほどですが、それ以上に深い奥行きを感じます。そもそもどうして、平面の絵ではなく、ペーパーアートという立体で表現しようと思ったのでしょうか。 太田さんは気さくな笑顔を浮かべながら、こう答えてくれました。
「やはり、描いた絵の表面が浮き出たときの意外性を、自分自身で感じたことが大きいですね。それが私にとっては一番の驚きというか発見だったんです。それはいつまでも大切にしていたい。作品を作り始めてから、細かい部分は常に改良を重ねてきましたが、その原点は変わらないですね。」

さらに、太田さんは立体ならではの光の魅力についても語ってくれました。
「立体にすると光の変化が演出できますよね。光って人の心を誘う何かがすごくあるんです。平面的な絵ではそれができないんですね。光はすごく大切で、人の顔だって光の具合でぜんぜん印象が変わる。本当におもしろいんですね、光って。」なるほど、確かに太田さんの作品は、ライティングによって大きく雰囲気が変わります。これも、太田さんの作品ならではの魅力です。

車

太田さんの作品には必ず車が登場します。その緻密な細部を紙とカッターだけで表現しています。

「小さいころから車が大好きなんです。」

太田さんの作品には、必ず車が登場します。アトリエにもお気に入りのミニチュアカーがずらり飾ってあって、とても賑やか。車についてのこだわりについて伺ってみました。
「小さいころから車が大好きなんです。だから作品に登場するのは自然な流れですね。とりわけ外国の車が好きで、子供のころは外車外車って、買い替えの時に父に提案してはすぐに却下されてましたね(笑)。特に車の運転席の、閉鎖的な操縦席っぽいかっこよさが好きですね。狭い場所でいろんなものに手が届く、そしてそれを自分が操る、これがいい!その感覚は今でも変わらないですね。自分の車の運転席というスペース、大好きですよ。」

筋金入りの車好きな太田さんは、作品のアイデアも運転中に出てくることが多いのだそうです。では、作品の中に登場する車には、どんな思いが込めてあるのでしょう。
「実は、作品の中で車は決して主役ではないんです。あえて言うなら名脇役。」

脇役とはなんとも意外な答えですが…。太田さんはこう続けました。
「作品では、人々の出会いとか別れとか、そういったストーリーや、作品全体からにじみ出る雰囲気が大切で、それが第一です。車は欠かせないけど、主役ではない。もし車が主役だと車好きな人しか楽しめないですしね。そうでない人も楽しめるようにしたいんです。」

犬

車と同じように、毎回作品に登場する犬。なにげない仕草や表情までもリアルに再現されています。

車の他にも太田さんの作品に欠かせないのが毎回登場する犬。それについても伺ってみました。
「犬は疑問を持たれる人がすごく多くて、展示会ではいつも聞かれるんですけどね。そんなにもったいぶる理由はないんですよ。画面を和ませるというか...アクセントであり、しゃれっ気であり、それでいていつも一貫してどこかに犬がいるっていう。一作品をあの大きさで完結させるための共通のルール、ゆるぎない一つのパターンの象徴ですね。」

「ペーパーアートは自由に楽しんでほしい」

太田さんのファンは、車を楽しむ人、犬を楽しむ人、登場人物を楽しむ人など様々。太田さんご自身も、それはとてもうれしいことなのだそうです。作品についての醍醐味について、こう説明してくれました。
「子供からお年寄りまで、みんなが楽しめないといけないってのは、いつも思っているんですよ。より多くの人に見て欲しい、形にはまらずいろんなことを見て感じて欲しい。それが私にとって喜びでもあります。作品が出来上がった瞬間から、私の手を離れて、見る人それぞれのストーリーを紡ぎ出す。それがこれらの作品の醍醐味じゃないでしょうか。こう見なきゃいけないっていうのじゃなくて、いろんな受け止めかたがあるほうが楽しいじゃないですか。」



次回は、カッター1本で作るペーパーアート製作現場の裏側に迫ります。太田さんの作品のダイナミックな構図や、繊細な細部はどのようにして作り出されているのでしょうか。

ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー 第二回「カッターで表現するということ」はこちら
ペーパーアート作家 太田隆司さんインタビュー 第三回「ストラーダ作品に対するこだわり」はこちら

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太田 隆司(おおた たかし)

ずば抜けた観察力を1本のカッターと紙だけで表現してゆくペーパーアート作家、太田隆司氏。その指先から創りだされる作品は、すべて生きているかのように存在感を持ち、融合しあっています。「CLUB Strada(クラブ ストラーダ)」では太田さんのオリジナル作品がご覧いただけます。見つめるほどに語りかけてくる、その不思議な世界をお楽しみください。

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